旅立ちの季節に ~ 『杜子春』に思う
芥川龍之介は明治25年(1892年)3月1日に生まれました。つまり今日は芥川の誕生日です。この年の干支は今年と同じ辰年で、一説には「辰年辰月辰日辰の刻生まれにちなんで龍之介と名付けられた」と言われています。(諸説有り)
芥川龍之介の作品は、令和の時代でも多くの読者に愛されています。その中でも大正9年(1920年)に発表された『杜子春』は、おそらくだれもが一度は読んだことのある、もっとも有名な作品の一つと言えるのではないでしょうか。
『杜子春』という物語は、ある春の夕暮れ時から始まります。