「校長ブログ」 No.108(2017年11月6日)

2017.11.06

中学生自作の試験対策ソフト

2020年から実施される新しい学習指導要領で小学校ではプログラミング教育が必修化されます。そのねらいは「将来どのような職業に就くとしても、 時代を超えて普遍的に求められる力としての『プログラミング的思考』などを育むプログラミング教育を通じて、(中略)プログラミングを自分の意図した活動に活用していけるようにすること」だと文科省は言っています(「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」より)。

ここで言う『プログラミング的思考』とは「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力のこと」と定義されています。つまりは論理的な思考とそれを具体的に表現する力を育むことと言い換えても間違いではないでしょう。

本校では中学では特活と技術家庭科、高校では情報の科学の授業を通じてプログラミング教育に取り組んでいます。また今年度からは小学生を対象としたプログラミング教室を2回開催し好評を博しています。今後は日常の授業や活動の中でプログラミングを通じた論理的思考力を育成する場面が増えていくと思います。

ところで、中学2年生の男子生徒がPCで自作の定期考査対策ソフトを開発してテスト勉強していると聞いて、さっそく校長室に来てもらいました。

このソフトを作った池永君は、小学6年生のころから独学でプログラミングの勉強を始めたそうです。暗記科目が苦手な池永君は、英語や社会の定期試験で少しでも良い点を取ろうと、趣味を生かして11答形式の問題ソフトのプログラムを作成しました。2年生になると、問題作成について友達の津田君が協力してくれるようになりました。Excelシートに問題と解答を打ち込み、それを池永君作成のソフトに流し込みます。タブレットに手書き入力で解答するので同時に漢字も覚えられます(画面には解答制限時間のカウントダウンもついている!)。解答がすべて終わると、不正解だった問題が再度出題されるので反復練習も可能という、なかなか手の込んだ優れものです。実際のソフトも見せてもらいましたが、なるほどよく考えているなと思いました。

さて、このソフトを使って成績が伸びたかどうかですが、これについては池永君と津田君で評価が異なるようです…。また11答形式の出題ですから、知識の覚え込みには効果が期待できますが、暗記した知識を使って文章で答えるような問題には対応できないのが限界かなと二人は言います。しかし、時間と労力をかけてプログラムを組み問題を作成した創意と努力は大いに褒めてあげたいし、一度作ったソフトは今後も改良しながら継続して利用できるのです。今は二人だけの取り組みですが、今後もっと多くの人が問題作りに参加してデータベースが大きくなると、出題者(教員)側にとってもその効果と脅威を無視できなくなるかもしれませんね…。