「校長ブログ」 No.174(2019年12月25日)

2019.12.25

高等学校創立80周年記念講演会開催

まもなく令和最初の年が暮れようとしています。一昨日に終業式を終えて学校は短い冬休みに入りました。今朝には、中学1年生がスキー教室に出発していきました(行き先の志賀高原には雪があまり降っていないと聞きましたが…)。

さて、本年(2019年)は、本校の前身である東京電機工業学校が創立されて、ちょうど80年目というメモリアルイヤーにあたっていました。そこで創立80周年を記念して、12月19日(木)に、府中の森芸術劇場どりーむホールにおいて、在校生とその保護者の方に加えて、同窓生、学園関係者、学外の方々(小金井市、東京私中高協会第12支部、教育産業等々)をお迎えして、記念講演会を開催いたしました。

今回は、ベストセラー『AIVS.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社2018年刊)の著者であり、国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長、一般社団法人「教育のための科学研究所」所長である新井紀子先生を講師にお迎えし、「人工知能がもたらす人間と社会の未来」というテーマで約90分間お話しを聴かせていただくことができました。

「ロボットは東大に入れるか?」という研究プロジェクトの紹介を通じて、いま話題のAIのできることとできないことを、わかりやすく教えていただきました。AIはビッグデータと深層学習によって確率の高い答えを出すことはできるが、意味を理解することはできない。一方、意味を理解することができるのは人間のはずであるが、大学入試の模試では、AIの東ロボ君よりも成績が低い受験生がたくさんいるのはどうしてか。もしかしたら、かなりの数の中高生が、実は入試問題や教科書を正確には読めていないのではないか…。

そんな疑問を持った新井先生が開発したのが、基礎的汎用的な読解力を測定するリーディングスキルテスト(RST)です。会場の生徒たちにRSTの例題を解かせながら、新井先生は意味を理解して読むことについて説明してくださいました。

AIに負けない、AIに仕事を奪われないようにするためには、AIには絶対にできない意味を理解すること、つまり基礎的汎用的な読解力をきちんと習得することが第一歩となる。ではどうやって読解力をつけるか。まず、毎日教科書を音読したり、新聞の記事を読んで要約したりすること。そして学校の授業では、先生たちの作る授業プリントに頼らずに、自分でノートを取るスキルを身につけること。それができれば、自分ひとりで勉強できるようになり、仮にAIに仕事を奪われても、新しい職種に就くための勉強を自分の力でできるようになる、則ちAIに負けない、仕事を奪われない人材になれる。そんなアドバイスをいただきました。

これからの時代に求められる学力、資質、スキルについて考えるきっかけとなった、とても刺激的で充実した90分間でした。


※公務ご多忙の中を、西岡真一郎小金井市長にもご臨席いただくことができました。どうもありがとうございました。