「校長ブログ」 No.171(2019年10月30日)

2019.10.30

自然災害の10月

しばらくブログの更新をサボっている間に、汗ばむ陽気もようやく収まり秋の気配を感じられるようになりました。と書いてはみたものの、本来なら10月は秋本番のはずです。

通常、秋は9月から11月を指すのですが、私たちの感覚からすると、かなり前から9月は夏、10月も半ば過ぎまでは晩夏というイメージになっているように思います。昨日の『朝日新聞』朝刊に「秋、短くなった?」という特集記事が掲載されていました。その中で、お天気キャスターの森田正光さんは、秋が短くなっているというより冬が短くなっていると指摘しています。確かに、近年、日本では最高気温が40度に届くような猛烈な暑さが常態化している一方で、東京では最低気温が0度を下回る冬日の日数は極端に減っています。私が子供のころ、真冬になると自宅の庭にあった小さな池には厚い氷が張っていたものですが、今はその池に氷が張ることは滅多にありません。

かつて10月1日といえば衣替えの日とされ、学校では一斉に夏制服から冬制服に切り替えていました。またサラリーマンたちもこの日を境に、夏服から合服、冬服に着替えていたものです。しかし、今や一年中夏スーツですませているサラリーマンも多いようです。そんな身の回りの現象からも、地球温暖化が実感されるのではないでしょうか。

さて、今月は大きな台風が東日本を襲いました。9月の15号に続き今月12日には台風19号が首都圏を直撃し、関東甲信から東北地方の広範な地域で記録的な大雨となり、各地で河川の堤防決壊が起こりました。氾濫した地域では多くの人命が奪われ莫大な経済的被害が発生しています。水害の後片付けに追われる被災地では、ボランティアの数が不足していて作業が捗らないとの報道もありました。被災された方々には心からお見舞いを申し上げるとともに、自分のできる範囲で協力しなければと思っています。

気象庁のデータを見ると、20年以上前までは10月に上陸する台風は10年間に一つか二つしかなかったのに、近年は10月の上陸個数が増えているようですし、何より日本列島を襲う台風の規模がどんどん大きくなっていることに気づきます。地球規模で気象メカニズムが変化しています。それにともない自然災害も大規模化しており、私たちの防災意識も考え直す必要があるでしょう。

科学史、科学技術社会論が専門の千葉大学教授神里達博先生は、「広い意味で、あらゆる自然災害は「人災」なのである。逆に言えば、私たちは対策を立て、未来を変える自由がある」と言います。そして、江戸幕府による利根川の付け替え工事(江戸湾から銚子へ流路を替える)や、水害発生を前提とした対策(有名な「輪中」や「水屋」などの仕組み)等の事例を紹介し、「この列島に住む人々の多くは、そのような悲劇から立ち上がり、生き抜いてきた人たちの子孫である。希望を失うことなく、クリアな頭で対策を考え、実行していきたい」と述べられています(『朝日新聞』10月18日(金)朝刊「対策立てれば未来は変わる」より)。

地震や台風の発生を抑えることはできないが、それによって引き起こされる災害をある程度は軽減(減災)できる。地球規模の気候変動や自然災害にどう向き合うべきかを考えた10月となりました。