「校長ブログ」 No.165(2019年8月6日)

2019.08.06

トレードオフ

夏休みになってすでに2週間以上が過ぎました。始まってしまうとあっという間に終わってしまうのが夏休みですね。夏休みの計画は順調に進んでいますか?

7月いっぱいは補習や講習が続き校内には生徒諸君の姿も多かったですが、8月になって1週間も経つ今日この頃は、部活以外で登校している生徒の数はかなり少なくなっています。そんな中、自習室を利用して勉強する高校3年生の姿があります。高3生にとってはまさに「天王山」ですね。

担任の先生との面談のために登校している高3生も見かけます。自分自身の進路選択について、まだ決めかねていたり迷いがあったりして相談しているのでしょうか。一般入試か推薦入試か、国公立か私立か、A大学かB大学か…、この時期、受験生によくある悩みです。

経済学に「トレードオフ(trade-off)」という概念があります。いくつかの選択肢のある中で、ひとつを選択すれば他のものは選べなくなるという意味です。「好きなお菓子をお腹いっぱい食べたい」という願望と「ダイエットしてスリムな体型を手に入れる」ことは多くの場合、トレードオフの関係にあります。経済の教科書でよく出ている例は「物価」と「失業率」の関係です(どういうことでしょうか?)。他にも「品質」と「価格」もトレードオフの関係(高品質と低価格は両立しない)にあたります。

進路選択において高校生たちが悩み迷うのも、多くの場合、選択肢がトレードオフの関係にあるからです。Aを選べばBは諦めざるをえない、Bを選べばAは…、まさにハムレットの心境でしょう。

しかし、人生はこうした後戻りのできない意思決定の連続です。意思決定する際には慎重な判断(経済学の「機会費用」という概念を利用するのも手です…)があって当然ですが、でも、選ぶのはあなた自身です。選択したことで発生するリスクとコストは自分自身で引き受けなければなりません。そういう覚悟を持ってするのが意思決定です。意思決定したら、後を振り返らずに前に向かって進むだけです。それが意思決定によるリスクを低減させる唯一の方法です。

受験生諸君、トレードオフの関係をよく見極めて、自ら「最善」と思える意思決定をしてください。

※「機会費用」とは、ある選択肢を採用したとき、他の選択肢であれば得られたであろう潜在的利益のうち最大のもの(『広辞苑』第7版)