「校長ブログ」 No.164(2019年7月26日)

2019.07.26

夏休み始まる

ここのところ、日々の忙しさにかまけてブログの更新が滞っておりました。この間、学校は無事に1学期の終業式を終えて、すでに夏休みが始まっています。

終業式では、中学生には、立命館アジア太平洋大学の学長である出口治明さんの「人生を豊かにしてくれる3本柱」の話を、また高校生には、メルカリの創業者である山田進太郎さんの世界放浪の旅でのエピソードを、それぞれ紹介しました。

出口さんはご自身の著書や講演で、豊かな人生を過ごすために必要な3本柱として、よく人・本・旅の3つを挙げています。自分と気のあう人と出会うためには、とにかくたくさんの人と会っておくこと。人づきあいは宝探しのようなものあると出口さんは言います。日々大量に出版される本の中から自分にとって大切な一冊と出会うためには、本選びのコツがある。それは①古典を読むこと、②新聞の書評を参考にすること、③本屋さんでは見た目がきれいでカッコいい装丁の本を手に取り最初の10~20ページくらいを読んでみること、だそうです。最後のコツは、私もさっそく実践してみようと思いました。

そして、3つ目の旅。出口さんは遠いところに出かけるのだけが旅ではないと言います。例えば住んでいる街でも、ふだん歩かない通りを歩いてみることも一種の旅です。日常とは異なる空間、時間を体験することが旅だというわけです。友だちから「美味しいメロンパンを売っているお店があるよ」と聞いて、「へぇ、そうなんだ」で済まさずに、実際に出かけて噂のメロンパンを自分で食べて確かめてみること、つまり、旅とは自分で足を運び実際に見聞し体験してみることです。それが幅広い知識や教養を身につけるのに役立つ旅なのです。

高校で紹介したフリマアプリのメルカリ創業者の山田さんは、自らの進むべき方向性に迷いが生じたとき、自分が立ち上げた会社を退職して世界放浪の旅に出かけます。この旅行で山田さんは、あえて自然環境や生活環境の厳しい地域を選んで訪問しました。そして、世界中の人々が新品を買って古いものを捨てるような暮らしは、もはやできないという問題意識と、遠くない将来に、全世界の人々がスマートフォンを使えるようになるという確信を持つに至ったそうです。この2つの気づきが合体してできたのが、スマートフォンを使ったフリマアプリのメルカリなのです。

山田さんの体験は、まさに出口さんのいう人生を豊かにする旅そのものだったのではないでしょうか。出口さん、山田さんの話を通じて、生徒のみなさんに夏休みの貴重な時間を使って、ふだんの生活では出会えない、体験し得ないことにぜひ触れて欲しいと思い、紹介した次第です。

私たちが常識やあたりまえだと思っていることの外側に、思いがけない気づきや発見が存在しているかもしれません。それらを受け止めるためには、いろいろな人と会ったり、さまざまなジャンルの本を読んだり、ふだんとは異なる世界に出かけたり、要するに幅広い視野に立つことが大切だということです。

思いがけない気づきと出会える夏休みになると、いいですね。