「校長ブログ」 No.113(2017年12月19日)

2017.12.19

子ども食堂の役割

ブログ102号「格差、貧困問題を考える」で子ども食堂のことにふれました。東久留米で子ども食堂の運営に携わっている友人に頼んで「子ども食堂」の現場を見学させてもらいました(12月14日)。

今回見学した子ども食堂は、NPO法人東久留米ふれあいの街(横井修理事長)という団体が地元の地域センターで月に2回開催しているものです。この団体は東久留米市西部地区を活動拠点として、夏祭りなどさまざまなイベント開催を通じて地域や商店街の活性化をめざしているそうです。地域のコミュニティ作りと地元商店街の支援を結びつけた活動は大変面白い試みと思います。

その団体がどうして子ども食堂を立ち上げたのか、横井さんに伺いました。地域の活性化につながる子ども向けの活動はないかと考えていたところ、全国各地で子ども食堂という活動が広がっていることを耳にしたのだそうです。子ども食堂と聞くと「子どもの貧困」対策と思ってしまいますが、必ずしも経済的に本当に困っている家庭層をターゲットにした活動ではないそうです。

経済的には困っていなくても、保護者が夜遅くまで働いていたり、一人親であったりなど、さまざまな事情により朝も夜も「孤食」を余儀なくされている子どもたちはたくさんいます。「一人でコンビニ弁当やレトルト食品で夕食をすませている子どもたちに、栄養バランスも考えた手作りの温かい食事を安価で提供しよう。」「集まったみんなでワイワイ食べて話して楽しんでもらいたい。」そんな思いを込めて2016年5月からスタートしたそうです。

年内最後の開催となった当日はXmas会もかねており、ビュッフェ形式のお料理の他に手作りケーキも出て、過去最高の60名の参加がありました。こうしたお料理はすべてボランティアのスタッフ(当日は17名)のみなさんの手料理です。食材は市内のJAや個人からの寄付も多く、その他は地元商店街で購入しているそうです。集まった食材で何を作るか献立を考えます。この日はクリスマスビュッフェのため3時間もかけて調理されたとか。準備も大変です。

夕方6時30分を過ぎるころから、続々と子どもたちがやってきます。親子で来られる方もけっこういらっしゃいます。子ども食堂のもう一つの役割が、地域とのつながりが希薄な親世代同士の交流の場としての機能です。学校の情報を共有したり子育てや生活する上でのさまざまな悩みを語り合ったりする。何気ない会話の中から本当に困っている人が浮かび上がり、必要な行政のセーフティネットにつなげてあげる連絡役にもなるのです。

横井さんは「貧困対策、救済事業をメインに打ち出すと、関心のある人も足を運びにくい場所になってしまう。そうではなく地域社会の中で孤立しがちなご家庭のための情報交換の場、ホッとできる居場所作りがこの事業の目的」と話されています。地域コミュニティの活性化を目的としたNPO法人が子ども食堂を運営する意味はそんなところにあるのでしょう。行政に頼らず住民自らの手で自分たちのコミュニティを維持していこうという、NPOのみなさんの強い意志によって支えられた子ども食堂であることがわかりました。

人口減少・高齢化の進む中で地域社会はどうあるべきか、そして手作りの料理を家族みんなで揃って食べられることがどんなに贅沢なことであるか、そんなことを考えさせられた一晩でした。

※当日のスタッフのお一人から「校長先生?」と声をかけられました。なんと在校生のお母様でした!世間は広いようで狭いですね。