「進路だより」 No.10(2016年7月21日)

2016.07.21

チャレンジなくして成功なし

いよいよ夏休みです。高校3年生にとっては天王山です。高校3年生の夏休み学習法のNGとしてよく挙げられるのが「ひたすら過去問を解く」、「とにかく夏期講習をとる」、「勉強の絶対量が少ない」、「がむしゃらにガリ勉」です。過去問を解くことが悪いのではなく、勉強というのは自分の穴を埋めること。問題ばかり解いても成績は上がりません。
間違えたところを復習したり知らなかったことを暗記したりすることで力はつきます。また講習会ばかりとっても自分で復習する時間が確保できなければ成績は上がりません。

さらになかなか自分の成績が上がらないからといってすぐに自分の勉強法を疑う人がいますが、知識が定着し学力として表れるにはそれなりに時間がかかります。量はいずれ質に転化します。
あれこれ考える前にまずは量をこなしましょう。しかし夏休みは自分で時間をコントロールしなければなりません。学校の授業は50分の授業を受け10分休むというサイクルでした。集中と休憩のバランスをうまく使って天王山を乗り切りましょう。

既に夏休みの学習計画は立てていることと思います。担任や各科目担当の先生方からアドバイスをもらっていることと思います。長い夏休みだからこれぐらいはできるだろうと大きな期待を抱いている受験生もいると思いますが、この期間に複数教科をこなさなければいけませんので意外と短いものです。
夏休みにやることを決めて、週ごとさらに、日ごとに落とし込んでしっかりと計画を立ててください。予定をこなすことだけに固執してしまうと勉強内容を身につけることがおろそかになり逆効果です。予定通りにいかないことも考慮に入れ調整日を設ける柔軟性を持つことも大切です。

高校2年生以下(中学生も含め)のみなさんは、この夏休みはしっかりと基礎固めを行いましょう。夏休みは弱点の補強には絶好のタイミングです。定期考査・模擬試験の復習、宿題を活用してしっかりと自分のミスに向き合ってください。
暗記だけで定期考査を乗り切った人はいませんか。そのような知識は時間とともに役に立たなくなります。AだからBになり、BだからCになるというふうに前後をつなぐようにどの科目も学習するように心がけてください。到達度確認テストや秋の模試でしっかりと成果を出せるように、学習面でも実りある夏休みにしてください。





高校1年生対象社会人講話より

6月にはオープンキャンパスに関する進路講話(高2対象)、7月には大学合同説明会(高3対象)、社会人講話(高1対象)と各学年の進路行事が目白押しでした。社会と学問をつなぎ一生ものの情熱を持って学び続ける人間になってもらいたいという期待を込めて実施しています。

高1対象の社会人講話では株式会社本田技術研究所でオートバイの商品開発をされている方、マイナビ教育広報事業本部で営業をされている方、システム開発をされている方の3名にお越しいただきお話を伺いました。印象に残ったお話をひとつ紹介します。


『オートバイ商品開発の第一歩は「人の調査」から始まります。商品を手にして喜んでいる人はどこにいるのか、お客さまの気持ちを想像するために小説を書いたりすることもあります。過去のことを知らなければ10~15年先の未来の商品開発をすることはできません。気持ちを想像した後は、どのようなデザインにするかをデザイナーの方と一緒に考えます。クレーモデルを作りスキャンしサーフェスモデルを作り、データに落とし込んでいきます。このパーツをこの長さでつけたら走行時にどの程度力が加わるか、よりクリーンなエンジンにするためにどのような燃焼にするか、この過程で数学や物理の知識がたくさん活用されます。』


ひと通りお話を聞いた後、質問内容を周囲の友だちと考えて代表者に手を挙げて質問をしてもらいました。15分間の質疑応答の時間には次から次へと手が挙がり講師の先生方も生徒諸君の積極的な姿に驚かれていました。文理選択方法、学生時代のアルバイト、就職活動で大変だったこと、趣味と仕事の比率、どんな仕事にも必要な科目、挫折したときはどのように立ち直ったか、おすすめの受験参考書、新しいアイデアはどのように生まれるのか、もの作りに大事なこと、などの質問がありました。
最後の「今の仕事に何%満足しているか」という質問には、「本質的ないい質問!」と言いながら少々考え込まれる場面もありましたが、わかりやすい言葉で正面から答えていただきました。講演後もたくさんの生徒が講師の方のまわりに集まって積極的に質問をしていました。進路を考える何かきっかけになってくれればと思います。

「時間のあるうちに遊んだりチャレンジしたり旅行をしたり興味のある分野を掘り下げるなどしてください。」「今のうちに自分が気になることにどんどん挑戦し、やり残したことがないように。あっという間に大人になっちゃうよ。」「友達、部活、先生とのつながりは君たちの大きな財産。いろんな人の意見を聞いて自分の意志に自信を持とう。失敗しても経験になるから。」と最後にメッセージをいただき会は終了しました。




推薦図書

夏休みですので、2冊ほど本を紹介しておきます。


一冊目は「16歳の語り部」です。
『2016年3月11日、「東日本大震災」から5年。津波で甚大な被害を受けた宮城県東松島市に、ある3人の高校生がいる。彼らは、あの日を「ただのつらかった過去」にせず、「学び」に変えるために立ち上がった若き震災の語り部だ。
彼らはこの5年間、何を思い、何に迷い、歩んできたのか。なぜ、わざわざあのつらかった日のことを語り出さなければならなかったのか。そこには、あの震災で生き残った、彼らなりの使命感と葛藤が存在する。』(ポプラ社ホームページより)  


2冊目は「デザインする思考力」です。
『最先端の知はいかに課題解決をめざすのか—知のトップランナーが語る、“組み立てる”という思考と方法。知の最先端で活躍する人たちは、どのような思考と方法を形成してきたのか。
素粒子物理学、イスラム政治思想、情報通信工学…などの分野の6人が、「デザインする」「組み立てる」という思考のダイナミックな過程を語る。東大のリーダー育成プログラムからの発信される知的キャリア論。』(東京大学出版会ホームページより)