「進路だより」 No.4(2015年11月11日)

2015.11.11

11月になりました。高校三年生の各クラスとも受験の雰囲気が高まってきました。センター試験まで残り二カ月余りというこの時期ですから,不安やプレッシャーまたは,成績の伸び悩みで焦りを感じている人もいることでしょう。受験期をむかえたクラスの雰囲気をプラスに生かしてクラス全体で大きな波を作り上げてください。どうしても不安なことや悩みがあれば,遠慮なく先生たちに相談してください。

あと二か月とは言え,やみくもに勉強をしていてはいけません。この時期に特に気をつけるべき点は二点です。模試の成績表などを利用して次のことを確認しましょう。一点目は成績表の教科バランスから「伸びしろ」の確認をし,追い込みの重点教科を設定することです。二点目は分野別成績で「弱点分野の克服状況」の確認をして,今までの成果と今後の対策の確認をすることです。
高校三年生が入試直前期に入ったということは,高校二年生以下(中学生も)もそれぞれ勉強への取り組み方を考える時期です。ということで,今回は勉強の仕方を少し考えてみたいと思います。


知識を身につけ「なぜ」を問う

次の英文は2015年学習院大学(理)の長文問題で出題された下線部和訳の問題です。注を付けておきましたので,中学生も頑張って和訳を考えてみてください。

If it seems like mega-fires are occurring more frequently, it’s because they are.
If it seems like S+V… 「SがVするようなら」     mega-fire 「大火事」
occur 「起こる」     more frequently 「より頻繁に」
it’s because S+V 「それはSがVだからだ」

いかがですか。和訳できましたか。単語の意味はすべて与えられていますから,和訳できるはずですよね。できない人はなぜでしょう。下の下線部を和訳してみてください。
A: Are Yumi and Mrs. Baker enjoying their life in San Francisco?
B: Yes, they are. They visited Alamo square yesterday.


学校中の生徒から「バカにするな!」という声が聞こえてきそうですね。実は,上の問題も下の問題の下線部も問われていることは同じです。

上の問題で,まずthey areで終わっていて「変だな」と気付けたかどうかです。気付けるのは知識があり,原則を知っている証拠です。例外に出会ったときに「変だな」と気付けることは,知識の重要性を表しています。だからこそ知識は身に付けなければいけません。下の問題の下線部を学習した際に,もとは後ろにenjoying their life in San Franciscoがあったのだけれどもそれは省略されていると説明があったはずです。でも実は,重要なのは「何が省略されているか」ではなく「なぜ省略されているのか」を知っているかどうかです。「何が省略されているか」を考えてばかりでは,毎回文脈を頼りにするしかありません。でも「なぜ省略されているのか」を知っていれば,省略に気付ければすぐに解決することができますよね。

人にはこのように物事を抽象化する能力があるのです。抽象化が得意な人と不得意な人では,知識量が同じなら,前者の方が速く多くのことを解決できるようになるのです。

勉強していない人はそれ以前の問題ですから話になりませんが,日頃勉強している人も丸暗記の勉強ばかりしていては,抽象化する能力は鍛えられません。中学生の時から「なぜを問う」習慣を身につけてください。毎日意識して学習することです。時々ではいけません。毎日です。

2000年の東京大学入試問題で「何が人間を人間たらしめているか」という内容の英文要約問題が出題されました。全文が気になる人は自分で調べてみてください。一部を掲載しておきます。

What makes us specifically human?  The complexity of our language?  Our problem-solving strategies?  You may be shocked by my suggestion that, in some very deep sense, language and some aspects of human problem solving are no more or less not the issue. ( 中略 )Normally, human children not only become efficient users of language; they also have the capacity to become little grammarians.  By contrast, spiders, ants, beavers, and probably even chimpanzees do not have the potential to analyze their own knowledge.

「人と他の動物の違いは,言語や問題解決能力を持つことではなく,自己の持つ知識を分析できる点にある。」が要約になります。つまり,自己の持つ知識を分析しようとしない人は,人間であることを放棄しているということになりますね。要約の方法も抽象化できるのでしょうか。それは英語の授業で。



各学年 11月の進路関係行事

【中学校】
1年 ボランティア
2年 職場体験事前指導
3年 卒業研究論文執筆

【高等学校】
1年 文理選択予備調査,総合学習学問調べ事前課題提出
2年 選択科目ガイダンス,卒業生による受験報告会
3年 入試カレンダー作成,予備校による受験ガイダンス,入試直前相談会

※ 11月9日には高1・2受験サプリ受講者対象に学習ガイダンスを実施。
※ 11月14日には高2・3対象に「センター試験問題集販売会」があります。
※ 11月28日には高1・2保護者の方対象「進路研修会」があります。