「校長ブログ」 No.25(2015年10月7日)

2015.10.07

短歌を詠むこと

爆弾低気圧後のさわやかな秋空がひろがった先週土曜日、中学校体育祭が開催されました。保護者のみなさまにはご見学くださいましてありがとうございました。
さて開会の挨拶の中で、先週月曜日(9月28日)の『朝日新聞』朝日歌壇に掲載されていた富山市の高校生、松田梨子さんの短歌を紹介しました。

青春のかけらキラキラ舞っている体育祭という時空には

梨子さんと妹のわこさんは、作品が毎週のように入選する朝日歌壇の常連でありアイドル的存在です。中高生の生活や思いをストレートに詠んだ作品は生徒のみなさんもきっと共感されると思います。
『朝日新聞』をはじめとする多くの新聞では日曜、月曜の朝刊に俳句と短歌の投稿欄を設けており、松田姉妹のように作品を毎週のように投稿されているアマチュア俳人・歌人が全国にたくさんいます。本校国語科の関沢由紀子先生もそのお一人です。

体育のあとの授業はほやほやと湯気のたちのぼる1年B組

これは昨年入選された作品で、ここで描かれている教室はもちろん昨年の本校1年B組のことです。体育の授業後の生徒の身体から発散される熱気が教室全体を包み込んでいる、そんな場面が目に浮かびます。
関沢先生が本格的に短歌を作り新聞に投稿するようになったのは昨年の春ころからだそうです。きっかけは旅先で目にした情景を、ふっと思い浮かんだ言葉でつぶやいているうちに三十一文字にまとまったことだとか。せっかくだからと新聞に投稿しているうちに入選するようになって、それがはげみになって毎週のように投稿するようになったと話してくれました。自分の作品が入選するようになると、しばらく疎遠になっていた親類や友人から「見たよ」という便りが届くようになり、それがうれしくてますます作歌に力が入るようになったそうです。

台風は看板飛ばし傘飛ばしとばし忘れた一片の月

台風の強風が看板や傘とともに塵や芥も吹き飛ばしてくっきり澄んだ夜空。白く輝く月が雲間に片々と見え隠れしているようすが思い浮かびませんか。短歌や俳句は字数が限られているので、情景や思いを説明的にではなく感覚的にとらえて言葉を選ぶ必要があります。それだけ言葉の力が磨かれると関沢先生は言われます。自分の感覚で選び取った三十一文字を全国の人に共感してもらえることが新聞投稿の醍醐味だとも言われました。
最後に、来週修学旅行に出かける中学3年生向きに先生の作品をもう一首ご紹介しましょう。

猿沢の池のほとりで角のない鹿に見つめられ柿の葉寿司食う

中学3年生たちはこの歌と同じような光景を来週には見ることになるはずです。その時に思い浮かんだ言葉をメモしてあとから三十一文字にまとめたら、きっと思い出に残る一首ができることでしょう。
 

クラス別対抗リレー


優勝した青チーム