「校長ブログ」 No.24(2015年10月1日)

2015.10.01

修正力

進路だより№3の冒頭に紹介されている中学1期卒業生、仮にK君と呼びますが、彼とは十数年ぶりに再会しました。学校ではお互い話し足りない気分もあり、その日は夕食を共にしながら仕事のことや同級生たちの動静など、男子会トークで盛り上がりました。

K君は大学卒業後にいくつかのITやベンチャー企業をへて仕事と人脈を広げた上で、たまたま知り合った同世代の仲間3人で現在の会社を立ち上げました。いまは数人の社員さんと数十人のアルバイトを使う共同経営者の一人という立場になっています。K君にはバイトを含め仲間たちと仕事をする上で大切にしていることがあります。それをサッカー選手がよく使う「修正力」という単語で説明してくれました。

人間は誰しも万能ではないから失敗することもある。大切なことは失敗を素直に認めてその原因を自分でよく考えること。そして同じ失敗を繰り返さないように心がけること。そのためにも自分の長所や短所をしっかり把握しておく。こうしたことの積み重ねがさまざまな局面における対処法つまり「修正力」を身につけることにつながる。

さらに失敗から学びとって「修正力」を身につけることで仲間たちの信頼を得ることにつなげていく。サッカーで言えば、「この前のミスはちゃんと修正したから、信じてもう一度パスを出して!」と仲間たちにもう一度チャンスをもらう。K君の真摯な態度を見ていれば仲間もそれに応えて絶妙なパスを出してくれるし、逆に仲間がミスしても彼がきちんと修正してきているなら、彼を信じてパスを出してあげる。そういう信頼関係を大切にしながら仕事をしている。

K君と仲間との仕事のしかたは、相互に「修正力」を磨きながら支え合う自立した個人同士の組織論としてとても興味深く聞かせてもらいました。これからの時代、企業をはじめとする組織は、大きな組織のまま上意下達的な命令系統で動くのではなく、小さな組織(あるいは個人)が目的に応じて結びついたり分かれたりしながら有機的に活動するようになると言われています。そういう近未来の企業のあり方をK君たちは模索しているのだなと感じ、こうした卒業生を持てたことをとても誇らしく思ったのでした。