「進路だより」 No.3(2015年9月28日)

2015.09.28

卒業生との再会で

最近、東京電機大学中学校第一期卒業生が本校を訪ねてくれてお話しする機会がありました。最近起業をしたというので、詳しくお話を聞かせてもらいました。
事業内容は、全国の農家が育てた安全で美味しい野菜や果物をハンディサイズでオフィスに毎週届けるというものです。毎日を忙しく働く人たちを健康にすると同時に、地方の第一次産業を活性化させたいという願いで行っているそうです。まだまだこれからだそうですが、試行錯誤を重ねながらどんどん発展させたいと目を輝かせながら話してくれました。日本経済新聞の第一面や、日本テレビのnews every にも取り上げられたそうです。君たちの中にも目にした人もいるのではないでしょうか。

彼の話を聞きながら、社会で働くとはこういうことだと改めて実感させられました。つまり、お金や資源の奪い合いばかりを目的にするのではなく、世の中で求められていることを考え、人と人とをつなぐことが働くということなのだと。彼と話し終わった後、しばらくワクワク感で満たされている自分に気づきました。


「自分の興味や直観に従え」その先にあるもの

それに関連して思い出すのが、スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学で行った卒業式でのスピーチです。You Tubeでも見ることができますし、高校2年生はコミュニケーション英語Ⅱの授業でも学習します。 follow your heart and intuitionという表現が何度も繰り返されています。しかし彼は、情熱を追い求めるのであればなんでもいいと思っていたのでしょうか。2011年に出版されたジョブズの伝記著者であるウォルター・アイザックソン氏と彼とのやりとりの中にその問いに対するヒントがあります。


“Yeah, we’re always talking about following your passion.  But we’re all part of the flow of history…  And we take things out of that flow that other people have created.  And that’s why our lives are so great.  So you’ve got to put something back into the flow of history that’s going to help your community, help other people, so that 20, 30, 40 years from now, even if it’s a small pebble you put back in, people will say, this person didn’t just have a passion, he cared about making something that other people could benefit from.”

(ああ、僕らはいつもパッションを追いかけろという話をするけれども、同時に僕らは歴史の流れの一部でもあるんだ。僕らは誰かが作ってくれたものを受け取って生きている。だからこそ僕らの人生は偉大であり得るんだ。それがわかっているなら、この歴史の流れに何かを戻さないといけない。誰か他の人を助けるようなものを。それはたとえ小さな小石だったとしても、20年、30年、40年たった頃に誰かがそれをみて、「ああ、この人はただパッションをもっていただけではない。彼は他の人が喜ぶものを作ろうと心を砕いていたんだな」と言ってくれるようでないといけないんだ。)              (HUFF POST IMPACTホームページより)


「歴史の流れの中に何かを戻す」、「パッションだけではなく、人が喜ぶものを作ろうと心を砕く」ということがどうやらキーワードのようですね。「自分を越えるもの」に挑戦する人の情熱が、社会とつながることでイノベーションは起きるのかもしれません。みなさんの先輩が取り組んでいることはまさにそういうことなのです。

君たちが、友達の部活動の引退試合に応援に行った時に感じる、あの感動もこれと同様です。今まで先輩たちが築いてきたものを超えようとするパッションがあるからこそ感じるものがあるのです。そのようなものがない発表や試合などは、人に勇気も与えなければ、エネルギーも与えることはないでしょう。応援の甲斐もありません。学びにおいても一緒です。学んだことをしっかりと身に付けることは重要ですが、それだけでは学ぶ価値はないということです。自分以上のものに向かって挑もうとしてこそ、知は高められ人の役に立つのです。

来年度から始まる新総合学習TDU 4D-LABOは君たちにそのようなマインドを培ってもらいたいと思って始まります。「共感」「向上心」「冒険心」「専門性」「視野の広さ」をキーワードにしたのもそのためです。東京電機大学中学校・高等学校の生徒諸君にはこれまで以上にそのような気概を期待しています。



各学年 9・10月の進路関係行事

【中学校】
1年 特にありません
2年 ブリティッシュヒルズ英語合宿
3年 京都・奈良 修学旅行、卒業研究論文執筆

【高等学校】
1年 進路適性検査、講話「文理選択」、講話「学問と社会を繋ぐ」
2年 福岡・長崎 修学旅行、講話「第2回全統模試の結果分析と今後の学習」
3年 駿台・ベネッセマーク模試、河合塾全統記述模試