「校長ブログ」 No.21(2015年9月12日)

2015.09.12

散歩の途中に…

先日、買い物がてら自宅近くを散歩していた時のことです。
バス通り沿いに小さなお寺があるのですが、その門前の掲示板に、おそらくご住職の墨跡による日めくりカレンダーの「今日の名言」的な短い言葉が、月に一度くらいの頻度で掛け替えられているのは前から知っていました。その日も掲示板に掲げられている言葉を何気なく目にしました。

「できないことは ただ やらないだけ」
と、書いてあるのを読んで、何だか妙に心に残ってしまったのです。

「できないことは ただ やらないだけ」とはどういう意味でしょうか。この言葉を掲げたご住職にその意味を聞いたわけではありませんが、似た言葉で江戸時代の米沢藩主、上杉鷹山(1751~1822)の「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」という歌があります。「人間その気になればできないことは何もない」といった意味です。同じように解釈すると、この言葉は「できないことを言い訳にしてやらないのではできることもできない。何事もやる気が肝心だ。」と弱気で怠惰な気持ちを叱咤する意味に読めます。しかしそういう意味だとしたら、この日の僕にこの言葉はそれほど響かなかった気がするのです。

では、この言葉のどの部分が気になったのかですが、どうも「やらないだけ」という部分にあるような気がします。「やらない」とは「やれない」というより「やりたくない」と思う自分がいて、それを「できない」ということで自分を正当化する心理を突いた言葉ではないでしょうか。ほんとうは「やりたくない」のだが、はっきり言うといろいろ角が立つから「やりたいけれどいまは忙しくてできない」と言って誤魔化そうとする小賢しい自分の姿を連想して、心にグッと突き刺さったのだと思います。

「できない」と思っていることの中には、実は「やりたくない」ことがあるのではないでしょうか。時々自分の心に問いかけてみたらどうでしょう…。