「進路だより」 No.1(2015年6月22日)

2015.06.22

We Have To Learn How To Learn
いったい、「満点をとる」とはどういうことだろうか? - 私に言わせれば、それは「頭が機械的に優秀である」ということだ。
丸暗記をしたり、わけもわからず全部覚えてしまっていると、たいていの場合は満点になりやすい。それに対し、多少なりとも自分の頭を働かせて理解しようとする頭は、なかなか100点満点をとることができない。よくても90点、だいたいは70点から80点ぐらいのところである。そういう人たちは、有名な大学や難関の高等学校に入れなかったりする。しかし、その人たちが悪いわけじゃない。今までの社会が、考える頭よりも、機械的な知識をありがたがってきたからにすぎない。
もちろん、100点をとっても構わない。点をとること自体は決して悪いことではない。しかしながら、100点を取ったからといって得意になったりいばったりなんかするのはトンデモないことだ。逆に50点60点だからといって恥じたりする必要もない。本来は50点60点でも充分良い成績なんだから。100点満点の答案の作成なんてコンピューターに任せておけばいい。人間よりコンピューターのほうが、記憶力はずっとすぐれている。それに引きかえ、75点の答案を書くということは、機械にはできない作業である。
『何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1』の第1章で外山滋比古さんが上のように書いています。
桐光学園 編集 , ちくまプリマー新書編集部 編集 , 外山 滋比古 著 , 前田 英樹 著 , 今福 龍太 著 , 茂木 健一郎 著 , 本川 達雄 著 , 小林 康夫 著 , 鷲田 清一 著(2015)
『何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1』筑摩書房(ちくまプリマー新書)pp.208



これまでの社会は...

この文章が伝えたいことは何でしょう。これからの社会が私たちに求めていることは、知識を丸暗記する能力ではないということです。間違いの中にこそ、その人だけの個性や考えが隠れて存在しているのだから、間違えを大切にするべきだということです。なぜでしょう?
かつては、産業社会と呼ばれる大量生産の社会だったので、1%の優秀なリーダーと99%のフォロワーがいれば良かったわけです。そのような時代においては、ほとんどの人が言われたことができれば良かったのです。でもそのお陰で日本も発展してきたわけです。「教わったことを一生懸命に覚え、みんなが同じことを行う」という教育によって日本は発展してきたとも言えます。
次の段階が情報社会。科学的管理法つまり、科学的分析による作業の合理的な順序や作業量の設定、それに基づく生産の計画化や作業過程の効率的管理をおこなった。優れた働き方をする人を分析し、それを他の人にもあてはめて効率の良い働き方を一元的に管理した時代です。しかし、これも多くの人が同じ働き方をしていたからこそできたことで、これからの時代にはそぐわないと言えます。


これからの社会は...

では、君たちがこれから生きる社会はどう変わっていくのでしょう。それは、知識基盤社会と呼ばれています。
科学技術の発展により距離と時間が縮まります。そのことにより、私たちの社会はこれまで以上に変化の速い不確実性が高い社会になると予測されます。そのような社会では、どのような力が求められるのでしょうか。それは、変化に対応する力でしょう。今日常識であることが、明日にはそうでなくなるような社会ですから、将来を予測して生活を送ることもなかなか困難になりますし、一度身につけた技術・技能が絶対ということもあり得なくなります。変化に対応するべく学び続けるマインドや態度があれば生き残れます。つまり、中高生の今のうちから学び方を学んでおくと良いと思うのです。
更に、人口構造の変化、科学技術の発展にともない、雇用形態も大きく変化することが考えられます。今のように一度就職した企業で定年まで働き続けるということもなくなるかもしれません。一人ひとりが独立した精神を持って活躍し、コラボレーションをしてチームで一つの問題を解決していくような時代になるでしょう。
テスト前だけ勉強して、テストが終われば学習時間もほとんどなく、すべて忘れてしまう非生産的な学習の仕方を身につけてしまっては、未来の世界では生きていくことはできません。さあ、今日から未来を生きて行く学びを学びましょう。





各学年 6月の進路関係行事

【中学校】
1年 林間学校事前学習「富士山研究」
2年 今月は特にありません
3年 卒業研究レポート開始、修学旅行事前学習

【高等学校】
1年 オープンキャンパス事前指導
2年 オープンキャンパス事前指導、進路講話(夏休みの学習)
3年 第一志望調査用紙提出