2021年度エンパワーメントプログラム

2022.02.05

 本校では毎年、株式会社アイエスエイにご協力いただき、希望者(中3~高2)を対象にエンパワーメントプログラムを開催しています。このプログラムは英語を学ぶプログラムではなく、英語で学ぶプログラムです。中高生の時期は、多くの生徒たちが、友だち関係・さまざまな大人からの期待・将来の自分の姿に悩んでいるものですが、そのようなときに彼らの大きな支えになるのが「自分とは何者か」というアイデンティティにじっくりと向き合った経験があるか否かではないかと考えています。今年は24名の中高生が参加しました。
 このプログラムには、全体を統括する経験豊かな外国人ファシリテーター1人と、生徒5,6人に対してグループリーダー(以下GL)が1人つきます。生徒たちが「自分とは何者か」という難しい問いに向かい合うには、このGLの存在が欠かせません。彼らはこのプログラムの期間、生徒たちの言葉を辛抱強く待ち続け、出てきた言葉を受け止め、生徒に質問を重ね、生徒自身の感情に一番近い表現を一緒に考えてくれます。
 今年のGLは東京大学、東京工業大学、国際基督教大学、国連大学で研究をしている学部生・大学院性でした。国籍もファシリテーターがイギリスであったものの、GLはモンゴル、パキスタン、バングラデシュ、ケニアなどみなさん英語圏ではない方ばかりでした。専攻もElectronic Engineering, Sustainability, Public Policy, International Lawと様々で、年齢の近いGLたちが自分の専門を誇らしげに語る姿に憧れを感じた中高生もいたのではないかと思います。
 アイデンティティとは単なる性格や個性ではなく、社会集団のなかで自覚され評価される社会的自己のことであるため、今の自分の性格・意識・スキルとそれを身につけるに至った経験を紐づけることがGLから求められました。最後はスピーチという形で、各自のアイデンティティについて言語化をしました。リーダーシップやSDGsといった他のトピックについて考えるときにも、常にお互いに丁寧に対話を重ねているのがとても印象的でした。
 最終日には「このプログラムで学んだこと、このプログラムでの自身の変化、将来の目標」をスピーチにまとめ、一人ずつ発表しました。スピーチ後には、GLから一人ずつ講評をいただきました。GLの温かい言葉は、生徒たちの大事な宝物になったことと思います。プログラムの最後には、GLからそれぞれ修了証を受け取りました。プログラム後の宿題として、スピーチの清書と振り返り作文執筆を課しています。

グループリーダーを中心に意見交換をする生徒


グループごとに協力してプレゼンの準備