たのしく描ける やさしい テクニカルイラストレ−ション

小峯 龍男 著

A5版   160ページ   定価( 本体 2000円+税 )

ISBN4-501-41430-8  C3053

初版発行年月日 : 1998年03月20日

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内容紹介

 レポ−トやプレゼンテ−ションにおいて要領良く描かれた図表は、情報伝達において絶大な威力を発揮します。これらの図表を描くことを苦手と思いこんでいる人は案外と多いのではないでしょうか。本書は、専門的な事柄について深く触れることを避け、多くの人にちょっとした基本さえ押さえれば、見やすい図表を簡単に描くことができることを紹介。  

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まえがき

 私たちはいろいろな“もの”に囲まれて生活しています。本書で扱う“もの”とは,具体的な物体を指します。私たちが自分の考えを他人に伝えるには言葉や文字を必要とし,伝える内容によっては,言葉や文字だけでは足りずに,音楽や絵画や数式や図表等を必要とすることが考えられます。とくに,ものの具体的なイメージや形を伝えるときには,写真や図を使うことが効果的になるでしょう。

 私は子供の頃から,ものを作るのが大好きで,材木の切れ端を拾ってきて船を作ったり,工作用紙やバルサ材を切り張りしてロボットや飛行機を作ったり,工作雑誌を見ては,ラジオやテープレコーダを作ったりと,思い出は尽きません。そんなときにはいろいろなことを考えることになりますが,必ず鉛筆とメモ用紙を手にして,思いつくことをどんどんと描きためていました。これは今でも変わることがなく,何かを考えるときには鉛筆かキーボードが必ず動いています。

 ものに対しての思考を抽象から具現化するには,文字よりも図を用いることが多くなります。また,何かの要因に関係して変化する現象を示すには,グラフ等の図表が用いられます。さらに,現代の情報の伝達にはコンピュータの利用は不可欠で,文字だけで作られた情報と,図表を含んだ情報を比較すると説得力の差が歴然となることでしょう。そして,コンピュータプレゼンテーションと呼ばれる分野では,動画から仮想のグラフィクスへと発展しています。

 私は機械工学という分野を専攻して,技術系の教育現場に身を置いています。必然的に図面や図表に触れる機会が多いのですが,これらを要領良く描くことを苦手とする人が案外と多いことを常々感じていました。日本の高度経済成長を基盤から支えた「もの作り」が生産設備とともに精神までをも,海外に移転してしまったかとも思える世相が破綻した後に,産官学の各方面で,もの作りの復興を鼓舞する声が高まっています。高度な科学技術の追求と同時に,多くの人に一般教養としての早期技術教育を広めることが必要であると考えられています。当然ですが,全ての人を技術者や科学者にするためではありません。個人各々の適性を見つけ出す中で,より多くの人に科学する心やもの作りの心を意識してもらうためだと考えます。

 本書では,自分の意思を相手に伝えるツールとして,また,もの作りの基礎のひとつとして図表の描き方を紹介します。工学では,表現規則に則った製図という分野がありますが,ここでは専門的な事柄について深く触れることは避けて,多くの人に,ほんの少しの工夫と,ちょっとした基本さえ押さえれば,見やすい図表を簡単に描くことができるということを紹介したいと考えます。本書の図表を作るツールとして,いくつかのパソコンソフトを使いましたが,高機能なソフトウエアの使用を前提とすることの無いように気をつけました。

 学生・生徒やビジネスマンの方が簡単に見やすい図表を描き上げて,ご自分の意思を強調できるレポートやプレゼンテーションを作り上げる手引きとして,本書を利用していただければと考えます。

 1998年3月 

小峯 龍男

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目次

[1] わかるイラスト

1.1 球を描く

1.2 円錐を描く

1.3 立方体を描く

◎ショートショート1

◎ショートショート2

◎ショートショート3 1.4 楕円を描く

1.5 丸みを描く

◎ショートショート4

1.6 立体らしく見せるには

[2] わかるグラフ

2.1 棒グラフ

2.2 多重棒グラフ

2.3 積み上げ棒グラフ

2.4 折れ線グラフ

2.5 円グラフ

2.6 階層グラフ

2.7 レーダーチャート

◎ショートショート5

2.8 3次元グラフ

2.9 実験データのグラフ

◎ショートショート6

2.10 簡単な度数分布表

2.11 グラフを描くときの要点

2.12 独創的なグラフを作ろう

[3] 考え方を整理する図面

3.1 フローチャート

3.2 PAD

3.3 シグナルフローチャート

3.4 ネットワークとアローダイアグラム

3.5 ベン図

3.6 簡単な図形で考える

3.7 分数の足し算を図で説明した思い出

◎ショートショート7

◎ショートショート8

[4]図面で解く

4.1 本棚の寸法を求める

4.2 寸法を求める

4.3 図面の性質

4.4 図面を解く方法

◎ショートショート9

4.5 正四面体を描けますか

◎ショートショート10

[5] よりリアルな透視図を描く

5.1 視点を決める

5.2 平面の透視図

5.3 視点を変えて透視する

5.4 任意の傾きを持った長方形を見る

5.5 任意の直方体を描く

5.6 透視図の失敗例

◎ショートショート11

5.7 家のパースを描きましょう

5.8 空間の広がりを表す図法

5.9 電柱の並びはどう見える

5.10 パソコンから見た透視図

5.11 絵が苦手だという人に

◎ショートショート12

[6] かげを描く

6.1 校庭に落ちる鉄棒の影は

6.2 折曲がる支柱の影

6.3 斜めの直立面にできる影

6.4 平面板の影

6.5 立体の影

6.6 透視図にできるかげ

◎ショートショート13

6.7 点光源でできる陰影

6.8 物体表面にできる影

6.9 それらしい影をつける

◎ショートショート14

[7] 切り口を見る

7.1 切断平面の表し方

7.2 平面の傾角

7.3 角錐や角柱を切る

7.4 曲面を切る

7.5 パソコンで切る

7.6 地球の切り口

◎ショートショート15

[8] 楽しくやさしい図面

8.1 身の回りにあるものを描いてみる

8.2 乗り物を描いてみる

8.3 風景のスケッチ

8.4 説明用イラスト

8.5 プレゼンテーショングラフ

ショートショートの答

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索引項目

 あ行 アローダイアグラム/イベント/一点透視図/陰/陰影/遠近法/円グラフ/オイラー図/黄金数/黄金長方形/黄金比率/黄金率/折れ線グラフ

か行 外周線/かくれ線/影/片対数グラフ/基線/グラデーション/空気遠近法/屈折点/雲型定規/K型熱電対/コーディング

さ行 三平方の定理/シングルフローチャート/自在定規/視心/視点/斜投影法/消点/正面図/スマッジング/製作図/正投影法/跡/線遠近法/全体集合/側面図

た行 第一象限/第三角法/第三象限/第四象限/楕円/端子/地/地平線/中心線/鳥瞰図/テクニカルイラストレーション/停点/底面図/天/投影面/等角投影法 /透視図/透視図的遠近法/動線/度数分布

な行 流れ図/二点透視図/ネットワーク/熱電対/ノード

は行 パース/ハッチング/発散光源/凡例 /PAD/ピタゴラスの定理/標高投象/標準光線/フローチャート/不等角投影法/分散図/ベクトル/ベン図/平面図/補助投影図/棒グラフ/補助線

ま行 丸み線

や行

ら行 立面図/稜線

わ行

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