Mathematicaによる材料力学

(ノートブックとMatheReaderのCD-ROM付き)

小峯 龍男 著

B5版  160ページ  定価(本体 2900円+税)

ISBN4-501-41420-0  C3053

初版発行年月日 : 1997年11月20日

[本のページへ戻る]


DownLoad Free

Mathematica全ノートブックDownLoad (Win自己解凍 831KB)

本書のノートブックをブラウザ上で体験する。問題演習を本書のMathematicaハイパーリンクと同様に組んであります。


[はじめに]

“Chain is not stronger than the weakest link.”「チェーンは最も弱いコマ以上には強くなれない。」「チェーンの強度は最も弱いコマの強さで決定されてしまう。」以前に学んだ材料力学の専門書で紹介されていたものですが,残念ながら書名は忘れてしまいました。単に鎖だけでなく,どんなに優れた機械や装置でも,それを構成する要素部品や筐体の強度が不十分であれば目的の仕事を行う前に壊れてしまうかもしれません。the weakest linkを的確に探し出し,システム全体として強度的調和をとるものが,機械工学の基盤ともいえる材料力学と呼ばれる分野です。材料力学は,機械材料に作用する力の強弱によって材料内部に生ずる現象を,自然科学の力学を用いて明らかにするものです。

実学である材料力学で用いる計算式は自然科学の定理・公式や経験的な実験式を基に構成されたものが多く,最終的に実際に必要とする材料の寸法や強度を導き出すためのものです。従来,私たちが材料力学の問題を解く場合には,与えられた条件から組み立てた式を変形して計算処理を行うという手続きをとっていました。式の展開や計算を確実に行うことも材料力学の問題解法の中で大きな役割を占めていました。本書ではMathematicaという数式解析ツールを用いて数式の展開や計算処理を行っています。これまでの伝統的な材料力学の教科書で学んだ方からすれば,式を展開して電卓の結果を書き写しながら,コツコツと問題を解いていたことが嘘のように思われるほど,Mathematicaはいとも簡単に答を誘導してくれることに驚かれると思います。反対に,材料力学の分野に初めて触れる方は,意外に簡単そうだなという感想を持たれるかもしれません。例題は材料力学の問題解決に要する手順の中で,比較的多くの時間を占める式の展開や計算処理の大部分をMathematicaで行ったために,理論を記述すれば解が求められるという大変あっさりとしたものになりました。これは,筆者自身が従来のメモ用紙や電卓で問題を解決していく手順と比較して,最も大きく感じた点でもあります。

Mathematicaは大変便利で心強いツールです。計算尺という,いかにもプロフェッショナルを連想させる道具から,電卓という便利な機械に移行する過渡期に,教育の現場では有効数字の概念が薄れることや計算能力の低下等が危惧されたことがあります。しかし現在では電卓による計算は大前提として考えられています。マイコンからパソコンへと発展して,プログラム言語やいろいろな数式処理ツールが開発され,単に計算処理だけでなく思考の支援までをも行うMathematicaのようなツールが供給されてきました。電卓の台頭期と同様に,教育現場ではこれら高機能なツールを用いることへの弊害を危惧する声も全くない訳ではありません。本書で扱う範囲の例題では特別難解な計算技術を必要とするものはありません。従来の方法で問題解決を行っていた方にご覧いただければ,Mathematicaをどのように導入すれば効果的かがご示唆いただけることと思います。

本書ではMathematicaの機能のうち,数式計算と代数計算を主として活用し,わずかにグラフィクス機能を用いて大部分の例題を解きました。

また,Wolfram Reserchのご厚意でMatheReaderというビュワーツールを使用させていただき,Mathematicaをインストールしていない方でもMathematicaファイルであるノートブックを見ることができます。

第0章でMathematicaの概略を紹介するとともに,本書の範囲内で必要と思われるSI単位や材料などについてまとめました。第1章以降は,材料力学で一般的に用いられる分類としました。各章末の問は巻末に解答をまとめました。

本書は計算ツールとしてMathematicaを用いた材料力学の紹介書と考えてまとめました。いたらぬ点はご教示いただければ幸いです。

文末になりましたが,快くMatheReaderをご提供下さった株式会社Wolfram Reserchの皆様,出版まで多くのご無理をおかけした石沢岳彦氏をはじめとする東京電機大学出版局の皆様に心よりお礼申し上げます。

1997年5月

小峯 龍男

MathematicaMatheReaderの取り扱いについて

1.Mathematicaの環境について

パソコン環境ではマシンのスペックやMathematicaのバージョンの相違等が考えられますが,本書のノートブックファイルは次の環境で作成いたしました。

Macintosh+Mathematica Ver.2.2.2

Windows+Mathematica     Ver.2.2.3

本書の例題はマシンスペックに依存するものはありませんから,どなたのマシンでも動作するものと思います。

2.Mathematicaのデータ名について

本書では例題や問の右端に,ex1_1,toi_1のようにノートブックファイル名を示しています。CD-ROMに収録のファイル名は次のようになっています。

Macintosh版     ex1_1 --> ex1_1

Windows版 ex1_1 --> ex1_1.ma

MacintoshでPC Exchangeが起動しているマシンならばWindowsファイルも読み込み可能です。

3.MatheReaderについて

MatheReaderMathematicaの機能の一部を取り出したビュワーツールです。マシン本体にMathematicaをインストールしていない方はCD-ROMに収録のMatheReaderをインストールすると本書で紹介したノートブックファイルを見ることができます。Mathematicaをインストールされている方には必要ありません。MatheReaderの使用条件とインストール方法はCD-ROMの説明テキストをお読み下さい


[一番上へ戻る]